鳴子の寺院本堂を総漆塗りで修復4 [鳴子寺院を漆で修復(本堂)]

布貼りの作業が終わったら今度は下地の作業に入ります。
白砥粉と言う粒子の細かい土の粉と漆を合わせて下地を作ります。

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全面に下地をヘラでつけていきます。
下地はヘラつけと刷毛つけがありますが、平面に下地する場合には、私はヘラを使用してつけていきます。

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麻布を貼った柱の部分は、四方からヘラを動かし麻の目の間に下地を詰めるように作業していきます。
仕上げは布目を活かした状態にするため下地は目スリ程度にしていきます。
その後軽く研磨して2度目の下地を同様に行います。
下地をつける場合平面(広い部分)と角の部分は別々に作業します。
これは角を作るために必要になるので、角が多いものほど同じ下地といっても工程数は増えていきます。
タグ:修復 寺院
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鳴子の寺院本堂を総漆塗りで修復3 [鳴子寺院を漆で修復(本堂)]

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角の補修、平面が大体取れたら、今度は割れ防止のため柱1本1本に麻布をグルッと漆と米のりを混ぜたもので貼り付けます。
漆には高い接着能力があるので、これで割れをしっかりと保護してくれます。

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立柱には麻布を、長押の下の埋め木をした部分には寒冷紗を貼り共に割れの防止処置を施します。麻布にも色々な種類がありますが、太くて丈夫な麻を使用しているので、漆も多く使用しますが、強度が違います。
見えない部分になるんですが、目に見えないところほどしっかりと!

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柱全ての布貼りが終わりました。
十分漆を乾燥させてから今度は、はみ出した余計な部分の布切り、下地と続いていきます。

タグ:修復 寺院
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鳴子の寺院本堂を総漆塗りで修復2 [鳴子寺院を漆で修復(本堂)]

研磨作業を終えたら、今度は木地調整、長い割れの部分や深い凹みの部分などには、速乾性でヤセの少ないパテを使用(もちろんお客様のご依頼により全て漆で修復することも可能です)
その後何度も凹んでいる部分の調整をしていきます。

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角と平面を作り直さないことには仕上がりも悪くなるので、この下仕事はキッチリと行います。この時の下地は砥粉を使用しましたが今は後から痩せにくいように地粉も使用して修復しています。

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長押の下の部分は以前建具が入っていたため溝が切られていましたが、今後は使用しないということで埋め木をして段差に下地をしています。
タグ:寺院 修復
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鳴子の寺院本堂を総漆塗りで修復1 [鳴子寺院を漆で修復(本堂)]

鳴子のT院の本堂の木材の痛みが激しく、修復の依頼を頂きました。
住職さんから「初めは一箇所修復してもらって漆で仕上げることにより、どんな状態になるか見てみたい」ということで、早速作業に取り掛かかりました。
中塗りまで終えた頃、こんなにキレイに直るなら廊下の部分の修復をお願いしますとご依頼頂きました。

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修復前の廊下部分です。
柱一本一本に長い亀裂が入り、角が丸くなり、節が抜けた後や深い傷がついていました。

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直射日光が当たっていた部分は昔の雨戸のように凹凸になり、塗膜の性根がなくなり剥がれてくる状態でした。

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全面研磨して古い塗料を落とした後です。
少しでも古い塗料が残っているとそこから剥離の原因になるので念入りに研磨します。
タグ: 社寺 修復
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漆塗りオーダー看板 [オーダー]

知り合いの方から、木目を活かした漆塗りの看板を作って欲しいとご依頼頂きまして、早速製作致しました。

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材質は彫りやすく、木目が美しいセンの木を使用しました。
文字の部分は彫りこんで、中に金箔を施して仕上げました。
大変木目が美しい材料だったので、木目が現れてくるのが楽しみです。
また金箔を使用している文字の部分は代用金とは違い色の変色もなく長い間輝きを持続させます。


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自然な形の漆塗りの衝立 [オーダー]

杉材で衝立を作られている方がいらっしゃって、漆を塗って欲しいと以来がありました。


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塗装前の状態です。
作った後無塗装の状態でしたので、軽く研磨してスリ漆で仕上げました。

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杉と漆の愛称はとても良く、柔らかい部分には漆が多く吸い込み、黒く仕上がり、年輪や皮の部分など漆があまり吸い込まない部分は明るく黄金色になりとても美しく仕上がります。
仕上がり当初はただ黒いだけに見えるかもしれませんが、これからが漆マジックの始まりです。明るく黄金色になるのが楽しみです。
また杉の柔らかい質感を残せるので肌触りもとてもいいんですよ。
一般的な塗料とは違い材質の温かみも残すことができるのも魅力です。
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自然な形の火鉢を漆で塗りなおし(朱バージョン) [塗り直し・修復]

こちらも自然そのままの形の火鉢です。

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修復前の写真です。
一木を刳りぬいた仕上げになっていて、面白い木肌をしておりました。
天板には割れ防止の麻布が貼ってありましたが、性根がなくなっていたので、全て剥がし平らに削りなおしました。
正面と裏側には文字が掘り込まれて胡粉で仕上げられていましたが、色あせている状態でした。

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修復後です。

冬は火鉢、夏はテーブルとして利用したいとのことでしたので、火鉢に合わせて蓋を作り、火鉢の天板と同様に麻布を貼り仕上げました。
色鮮やかな朱漆で仕上げて欲しいとのご要望でしたので、全面を本朱に、足の部分のみアクセントのため少し発色を抑えて仕上げています。
また、文字部分には金箔を施し、より一層文字が引き立つ仕上がりとなりました。


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自然な形の火鉢を漆で塗りなおし [塗り直し・修復]

とある寺院の修復中に、物置から現れた、自然身あふれる火鉢。
大きい木を刳りぬき、とてもダイナミックな火鉢です。

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修復前の写真です。
天板の部分には我防止のため、麻布が貼ってありましたが、性根がなくなり小さいヒビが全体に入っていました。
一度全て布を剥がして、また1から麻布を貼り漆の下地で固めていきました。

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修復後の写真です。
天板は麻布の凹凸を活かして仕上げています。
麻布を貼ることにより、割れ防止と傷も目立ちにくくなるので、とても実用的で扱いやすくなります。
今回の仕上げは、漆らしく艶を高く仕上げて欲しいとのご希望でしたので、ご覧のとおり漆黒の黒鏡のような艶です。(こちらも塗りっぱなしで仕上げています)
艶の調整は可能です。
私的には艶を半分くらい落としたしっとりした仕上がりをお勧めしております。


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箪笥を漆で塗りなおし [塗り直し・修復]

こちらも長年お使いになっている箪笥。
新築の現場塗装に行くと物置からおばあさんが使っていたとか、使い勝手がよく中々手放せなくて、捨てるのは勿体ないし、直せない?といお話を良く頂戴します。
職人としてこんなに嬉しい言葉はありませんね。
どんな状態になっていてもきっと直して差し上げます。

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修復前の箪笥です。
簡単に金具が外れるものは、外して作業します。金具がしっかりついているものの場合、そのまま金具ごと塗るか、金具を全て外ししっかりと直すかご相談させて頂きます。
写真は古い塗料を全て落とした状態です。

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修復後です。
こちらも漆を薄く塗り重ね、塗りっぱなしの状態で仕上げています。
材質が欅でしたので、これから木目が美しく現れてくると思うと、また一つ楽しみができますね。
年月の経過とともに塗料が透き通り丈夫になっていく不思議な塗料「漆」普通じゃ考えられませんよね?


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火鉢を漆で塗りなおし [塗り直し・修復]

長年使われて、塗膜が剥がれたり、傷ついて痛んだ状態の物でも、漆を塗り直すことによって新品同様に修復することができます。
塗り直して使えるという事で、骨董屋さんから自分のお気に入りのものを仕入れて漆で修復するとこんな感じに直すことができます。

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修復前の火鉢です。
塗料は剥がれているものの、大きな傷などはなく比較的程度はよい状態でした。
一度全て塗料を落とし、漆を薄く塗り重ねていきます。(修復前の塗料が漆でなくても塗りなおしは可能です)

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修復後です。
基本的には塗りたて(ごみをつけないように塗りっぱなし)の状態で仕上げます。
磨き作業を入れない分、ピカピカではなくしっとりと落ち着いた感じに仕上がります。
仕上がり当初は黒っぽく木目が見えにくいですが、年月の経過とともに、漆が透き通り漆ならではの、美しさを増していきます。
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